【ファンタジー小話 #3】FFに出てくる召喚獣の元ネタを適当に説明していく その①イフリート
年末年始の休暇中あまりにやることが無さ過ぎで自堕落な生活を送ってしまった…
そしてやる事が無さ過ぎで逆にブログの更新をすっかり忘れていた…w
気を引き締めて今日から通常運転。
というわけでブログ企画3回目です。
今回の題材はタイトルの通り。
FF、つまりファイナルファンタジーシリーズに出てくる召喚獣のモデルって何なのかっていうのをザックリ解説していこうという趣旨になります。
では早速始めていきましょう。
イフリートとは?
FFでは炎の魔人だったり魔獣的な描かれ方をしているイフリート。
元ネタはアラブの世界において、人ならざる超常的な存在として信じられている「ジン」の一種になります。
要はアラジンのランプの精です。アレの仲間です。
そしてこのイフリート、ジンの中の特定の一個体を指す言葉というよりは、ジンの階級を示す言葉という趣がある様です。
その階級とは悪性をランク分けしたものと説明される場合がありますが、普遍的なものではありません。
ただ、イフリートの場合は、マリードというジンと同様に特に強大で恐ろしい力を持つとされる傾向にある様です。
イフリートについてはイスラム教の正典であるクルアーン(コーランとも言いますが)にもその記載が有る様で、コチラのサイトによると、何人かの翻訳家はクルアーン第27章39節に記載される強大なジンの事をイフリートと訳しているようです。(なお日本語訳では「ジンの大物」と訳されています。)
まあ訳されているってだけなので、本当にイフリートの事を指している文面なのかは私には判断できません…そもそもクルアーン自体難解ですし、これをしっかり解釈しようとするには知識が足らんですね…
でもイフリートがジンの中でも上位階級の者を指しているという事ぐらいは言ってもよさそう。
またFFのイフリートというとやはり炎のイメージですが、アラビアンナイト(千夜一夜物語)には炎を吹く恐ろしいイフリートの話が書かれています。
とはいえ炎専門という訳ではない様で、魔神イフリートが持つ恐ろしい力の一つに炎の魔法が有るといった具合で、強いて言えば炎属性という感じなのかなと。
イフリートの恐ろしさ
思い返してみればFFのイフリートも「善なる者」という見た目はしていませんよね。
これはFF8のイフリートですが、まさに魔神・鬼神とでも言うべき荒々しいフォルムになっています。
現に千夜一夜物語にある「バグダットの軽子と三人の女」という話の一節に、某国の王女を地下室に監禁し、10日に一度"一夜を共にさせる"というイフリートが登場します。(ちなみに英訳では"lies a single night with me")
また、違う国の王子がこの王女の事を見つけるのですが、イフリートは王女がその男と一緒にいた事を知ると、なんと王女の皮を剥ぎ、八つ裂きにして殺してしまいます…
悪逆の限りを尽くすイフリートですが…確かに強大な力を持っているものの、意外にも人間では全く歯が立たないというワケでは有りません。
先ほどの話の続きでは、王子はイフリートの呪いで猿になってしまい、その後なんやかんやあってとある王宮で飼われる事になるのですが、そこの王女が猿化の呪いに気づき、呪いを解くためにイフリートと戦い、相打ちのすえ滅ぼしています。
(英訳文しか見ていないのでニュアンスの部分が何とも言い難いのですが、英訳文ではイフリートを倒した王女はアッラーの加護を受けているかの様な一文が有るので、流石にそこいらの人間に太刀打ちできるような存在ではないと思います。)
実はこんな一面も…
また、実は頭の回転もそんなに早くない様です…
「漁師と鬼神の物語」という話では、壷に封印されたイフリートが登場します。
その壷は水中にあった様なのですが、漁師が網にかけてしまい、しかもフタを開けてしまった為、イフリートが封印から解き放たれてしまいます。
イフリートは漁師を殺そうとしますが、漁師は「どうやってその壷の中に納まっていたのか見せてほしい」と言います。
するとイフリートが壷に入り、漁師はその隙に再度フタを閉めて封印してしまうのです…
FFの凶悪な見た目からは想像もつかないようなエピソードですねぇ…w
ただ千夜一夜について色々言っていますが…
コチラの動画でも触れている通り、千夜一夜物語は後から話が付け足されていって今の形になったという背景があり、今回参照した英訳版にも原点から追記が入っている可能性があるのでは無いかと。
現に日本語wikiのあらすじ解説だと、女王と相打ちになった魔神はジオルジオス、漁師に騙された魔神はサクル・エル・ジンニーという名前になっており、相違が確認できます。
今回述べた王女vsイフリートの話や漁師vsイフリートの話は、千夜一夜物語の最初の方の話なので、アラビア語原典にも記載がある話なので、そこを読めれば良いのですが…
流石にアラビア語は難解過ぎる…
因みに今回私が軽く調べた英訳版はコチラ。
まあこっちもウィキソースなので、コレを動画化するのであれば信ぴょう性確保のため、アラビア語原典は拾えずともサー・リチャード・フランシス・バートン訳版の千夜一夜物語は最低でも読んでおきたいところ。
でもこのブログの趣旨はあくまで「小話」なので…今回はこの辺で。
また次回。
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